「人からの拒絶が怖くて、行動ができない」

こんな悩みを抱える方も多いですよね。

恋愛においても、拒絶が怖くて、自分からアプローチできないという方がたくさんいます。

今回はそんな人が「今すぐやめるべき習慣」について書いてみたいと思います。

「拒絶が怖い」のは異常なことではない

「拒絶」への恐怖から無気力になってしまうし、断られると自分の「人格」まで否定されたような気分になる。

このような思いから、人に頼み事をできない、本当に自分がやりたい行動を起こせない、という人はたくさんいます。

 しかし、このように感じてしまうことは、決して特殊なことではありません。 

かつて人間が群れをなして生活していた時代に、仲間外れにされることは「死」を意味していました。人間は、集団で協力しあうことで生存することができたのです。

ということは、他人に拒絶されることは「死にも値する恐怖」であり、その恐怖が“本能的”に私たちに染みついているのは自然なこともでもあります。

拒絶への恐怖は「生存本能」とも言えます。

だから、「怖い」と思う気持ち、そんなふうに感じてしまう自分を否定する必要はありません。むしろ健全な反応です。

「拒絶」というものを理解して、自分なりの対処法を身につけましょう。この記事では、オススメの本もご紹介しますね。

外部の環境によって、人の判断は簡単に影響される

「ミルグラム実験」と呼ばれる有名な実験があります。 権威者に命令されると、どんな人物でも残酷な行為を行う可能性があることが明らかになった実験です。

この実験では、実験参加者に教師役をさせて、隣室の生徒が問題の答えを間違うたびに電気ショックを与える指示を出しました。その結果、教師役の実験参加者は権威者に命じられるまま電流を流し続け、ついには生命を脅かす最大レベルまで電圧を引き上げました。

「人は権威者から命じられると善悪の判断すら放棄してしまう」ということを、この実験は示していますが、このように人の「判断」というのは、外部の要因によっても簡単に変わってしまうものなのです。

だとしたら、他人の意見や態度、物の見方は、さまざまな要因(文化・家庭環境・そのときの気分など)に大きく影響を受けており、あなたへの拒絶が、あなたへの個人攻撃とは限らないのです。

そのように考えると、相手の判断に対する見方も変わってきませんか?

「受容」と「拒絶」は相手の状況で変わる

ジア・ジアン著『拒絶される恐怖を克服するための100日計画』には、一流のミュージシャンが、みすぼらしい格好で地下鉄の駅で通勤時間帯に演奏をしていたら、誰も足を止めなかったというエピソードが登場します。このミュージシャンは数日前には満席のホールで拍手喝采を浴びていたのに、通勤者たちが忙しく行き来する場所では受け入れられなかったのです。

これは「彼に才能がない」ということではなく、受け取り手が「そのような状況になかった」ということがよくわかる例です。

また、死後に作品を評価されるようになったゴッホのように、有名な芸術家たちも多くの「拒絶」を経験しています。

 すなわち、他者の評価というのは、当てにならないものであり、評価する側のその場の個人的な状況が反映されているにすぎないのです。 

拒絶を受けた時には、それを揺るぎない真実として受け取るのではなく、「1つの主観的な意見」として受け取るように意識してみましょう。

何より大切なのは「自分で自分を受容すること」です。

もし拒絶を深刻に受け取り、他者の一つの意見を決定的審判とみなすなら、みじめな混乱の人生になってしまう。
自己の尊厳や人生のコースまでも他人の一時の気分や判断に左右されてしまうことになるのだ。(ジア・ジアン)

↑拒絶感受性が高い方には、こちらの本がオススメです。

他者と自分を「同じ」と考える習慣をやめよう

拒絶を恐れる人は「自分がこうだから、他者もこうだろう(こうあるべき)」という思いが強い傾向にあります。

同じ価値観を共有すること、同じ色に染まることが「調和」「平和」「心地よい」と考えていて、異質なものを受け入れられないのです。なぜなら、「異なる」ということは、自分の中の秩序や調和が乱されることだから。

しかし、常識や価値観は多様です。交じり合う必要などないのです。

自分も相手もそれぞれの「個」を持ち、同じ場所にいる。そしてお互いに「自由に意見を持つ権利」があるのです。

合わないものは合わないでいいし、1つになることが正解ではありません。

自分は自分、相手は相手。心がざわめくときには、そう言い聞かせましょう。

自分ですべてをコントロールしようとする習慣をやめよう


すべてを自分でコントロールすることはできません。他者をコントロールすることもできません。

例えば、恋愛相談で多い悩みが「ラインの返事が返ってこない」というもの。

このときに、「自分の努力次第で、すべてはコントロールできる」と思っていると、

「何か自分に非があったのではないか?」という発想に至ります。

そして、自分の支配下に置けない相手に対して、イラだちを感じたり、ショックを受けたりします。

しかし、自分でコントロールできる物事と、そうでない物事をきちんと分別している人は、そのようには反応しません。

忙しいのかな? 忘れているのかな? 今は他に優先することがあるのかもしれない。
いずれにせよ、返信が返ってこないという事実は変わらないし、もう少し様子を見てから対応は考えよう。

このように受け止め、ネガティブな感情に引きずられることはありません。

すべてを思い通りにしよう、という思いがあるなら手放しましょう。

自分ができることと、そうでないことを、きちんと分別するように心がけましょう。

時間とエネルギーは、自分が「影響を及ぼせる」こと「解決できる」ことだけに費やすようにしましょう。

拒絶が怖くて恋愛ができない…

相手に対する「好意」を伝えることから恋愛は始まります。

つまり、拒絶を恐れているかぎり、望むような恋愛も手にできないということです。

これは、プロのナンパ師の方から聞いたのですが、ナンパをしていると、露骨な拒絶を見せる女性もいるようで、中にはひどい言葉を投げかけられることもあるそうです。

それでもどうして気持ちが折れずに女性に声をかけ続けられるのか聞いたところ、このような返事が返ってきました。

「まあ、仕方ないよねって感じです。そういう人もいるだろうなって思うし、声かけなきゃ始まらないし。あとは、断られて当然っても思ってるので。むしろ断られてからが、勝負だと思ってます。」

彼からの言葉からは、以下のようなことが学べると思います。

・他者に必要以上の期待をしない(断られて当然)

・断られたからといって、自己否定につなげない

・アクションを起こすことでしか、チャンスはつかめないと理解している

・常に自分ができることにフォーカスしている

これは、恋愛においても、当てはめることができるのではないでしょうか。

断られたとしても相手が悪いわけでも、自分が悪いわけでもない。けれどもチャンスをつかむために、できるかぎりの努力と行動を積み重ねていくことを大切にする。

他人には期待せず、自分のできることに集中する、ということがやはり重要ということですね。

どうにもできないことで悩む習慣はやめよう

私自身も人から拒絶を突きつけられると、いい気持ちはしません。

しかし、拒絶を必要以上に恐れずに行動できるのは、
「相手の感情をコントロールすることはできないし、その権利もない」と知っているからです。

良い関係を築けるように働きかける努力はするけれど、それを受け止めるも、受け止めないも相手の自由。

相手には相手なりの事情や感情があって、そのように動いているのであって、自分にはどうしようもできない。

違う文化、個人をありのままに認めよう。自分は自分にできるベストを常に尽くそう。他者に認められることではなく、自分で自分を受け入れることを大切にしよう。

そう思うと、相手を無理やり動かそうとすることに、無駄なエネルギーは使わなくなります。見返りを求めなくなります。

拒絶を恐れない人というのは、他者を無理にコントロールできないことを知っているのです。

だからこそ、「仕方ないね」「そういうこともあるよね」という考え方ができるのです。

どうにもできないことに悩む習慣は今日からやめましょう。そして、自分のことを自分で許すことを習慣にしましょう。

また、本文でも紹介したジア・ジアン著『拒絶される恐怖を克服するための100日計画』は、他人に拒絶されることを恐れて生きてきた著者が、あえて「No」と言われるような依頼を繰り返し、断られる経験を積むことで、人生を激変させていく様子が書かれています。

拒絶に対してひどく恐怖を覚える、自分を表現できない、嫌われるのが怖くて「ノー」と言えない・・・・・・

このような悩みを抱えている人は勇気づけられること間違いないですし、「拒絶」とは何か?ということをさまざまな実例を交えて教えてくれます。

とても面白い本なので、ぜひ読んでみてくださいね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!