「欠点や悪いところばかりが目について、なかなか人を好きになれません」

そのような相談を受けることがあります。

恋愛や婚活において、人それぞれ譲れないポイントやこだわりは大なり小なりあると思いますが、あまりにも「相手の悪いところばかりが目についてしまう」というのであれば、それは問題です。

お付き合いをするうえでも、その後の長いパートナーシップを共に築いていくうえでも「相手の欠点が目について嫌いになってしまう」ということは、ないことが望ましいですよね。

今回は、そんな方々に向けて、役立つ考え方を紹介します。

欠点が気になるのは、相手を「べき」で縛るから

「人の短所が気になってしまう」人たちの特徴として、「〇〇すべき」という考え方に強く縛られている傾向にあります。

そして、人に「〇〇すべき」を押し付ける人ほど、自分に対しても「〇〇すべき」を課していることが多いのです。

自分が「〇〇すべき」と思って踏み込まずにいることを他者が容易く侵害して行っていると、そこに憤りが生じるのです。

例えば「時間は絶対に厳守すべき!」と思って自分が行動しているのに、相手が平気で約束の時間を破ると

「自分はきちんと守っているのに、なんであなたは守れないんだ!」となる。

相手の短所や欠点が気になるという裏側には「自分は我慢して〇〇しているのに」という不満や、

「こういう時には、ガマンしてでもこうするべき!」という強い「べき」ルールが働いています。

人の悪いところばかりが気になる人は、こうした「べき」を手放していく必要があるのです。

欠点も「できなくて仕方ない」と受け入れてみること

ちなみに私自身の体験をお話しすると、私は結婚して夫と生活を共にする中で、

「人にはどうしたって、できないことがあるんだな」ということを痛感しました。

例えば、夫は思考が常に稼働しているような人なので、その分、物忘れも激しい。

結婚した当初は「私の話をちゃんと聞いているのかな?」と思ったときもあったし、

「なんで私は何度も同じ話をしなきゃいけないんだろう」と腹が立ったことも「何かの病気なんじゃないかな?」と不安に思ったこともあります。

でも、いくら言っても変わらないし、本人に悪気はまったくない。

結局、私は「できないものはできない」ということがようやく理解できるようになったんです。

彼は、彼なりのベストを尽くして生きてきて、それでもできないことがある。

私が数学が苦手だったり、地図を読むのが苦手だったり、人混みの中にいるとすぐに疲れてしまったりするように、

彼にも苦手なこと、できないことがあって、それは当たり前のことなのだと。

私は自分が物覚えがいいから、彼がちょっとしたことを忘れてしまうことに対して、
「努力不足」や「おかしい」というレッテルを貼ってしまっていたけれど、

彼と同じ環境や性格や性質で生まれついていたら、私も同じ事を繰り返していたかもしれない。

だからこそ「相手のありのままを丸ごと受け入れよう」「相手を変えようとするのはやめよう」と思ったのです。

もちろん「こうしてほしい」ということは、素直に伝えるようにしたり、話し合いをしたりもしています。

でも、相手の「できない事」に対して、自分の基準で「おかしい」と一方的にジャッジすることは、一切やめました。

「できない事があっても仕方ない」「そうなってしまった理由があるのかもしれない」とありのままの相手を受け入れると、欠点が原因で相手を嫌になることは基本的になくなると思います。

相手の悪いところが気になる人の中には、ご自身がよく気がつきすぎてしまう、繊細で優秀な人もとても多いのですが、「誰もがあなたと同じように気が回るわけではない」ということを理解しましょう。

悪いところを「決めつける」から嫌いになる

相手の事情は相手にしかわかりません。

例えば私のように婚活の仕事をしていると「食事をおごってくれなかったから、ケチ確定。ありえないです」という女性の意見を聞くことがあります。

でもね、私は一方で男性側から

「全額出すと、相手に気を遣わせてしまいますかね?」という相談を受けることがある。

単にデートに慣れていなくて、お会計をどうしていいかわからず、とりあえず割り勘にしてしまったという人もいます。

割り勘問題は長くなってしまうので、ここで論じることは避けますが、

「お金を出してくれなかった=ケチ」というのは女性側の決めつけであって、男性側には男性側の事情があったり、男性はすごく頑張っていたりするのです。

自分にとって不本意な行動を相手がとったとしても、そこには相手なりの理由があるのかもしれない。

そのように考えられると、相手を優しい目で見ることができるようになると思います。

短所を受け入れられないなら、離れる選択肢もあり!

「できないことがあっても仕方ないよね」と相手を受け入れる。

でも、それは相手のすべてを容認して自分がガマンする、ということではありません。

特に結婚を考えているようなお相手であれば、

「どうすればお互いが快適に暮らしていけるか、居心地の良い関係を築けるか」

という目で相手と向き合っていかなくてはいけません。

お互いの歩み寄れるポイントを探ることも大切ですし、努力で変えていける部分もあるかもしれません。

ちなみに私は大事な用件は、夫にしつこいくらい何度も繰り返し伝えるようにしているし、

夫は「僕が忘れてしまっていたら、申し訳ないけど……」という前置きをして、記憶が曖昧になってしまったことに関しては「○○だったっけ?」と確認を取るようにしています。

そうやって、ちょっとした歩み寄りで簡単に変わることもあります。

相手が知らない、気付いていないだけで教えてあげればいいことも、たくさんあります。

それでも気になるポイントが「受け入れがたい」「どうしても合わない」なら離れればいいし、自己犠牲をする必要はありません。

相手に相手なりの理由があったとしても、それを受け止めて関係を続けるかどうかは自分次第です。

相手の欠点が気になってしまう人の対処法

人は様々な価値観やルールで生きています。

婚活の仕事をしていると、人それぞれのこだわりや嫌だと感じるポイントも違っていて、絶対の正解がないことを日々実感しています。

だからこそ、自分の価値観だけで「評価」を下さないことは絶対に必要です。

時々、ほんの些細な短所だけに気をとられて、相手のトータル的な良さを見失っている人がいます。

しかし、「相手は相手」と受け入れた上で、お互い心地よく過ごせる方法を模索することはいくらでもできます。

表面的な相手の嫌な部分を「おかしい」「ダメ」と決めつけて、一方的に嫌うというのは、厳しい言葉かもしれませんが、あなたの怠慢でもあります。

ありのままの相手を見つめ、そのうえで、一緒に良い関係を築いていけそうか、そういった目で相手と向き合ってみましょう。

今回は以上となります。最後までお読みくださりありがとうございました。