今は自分が運営側ですが、私も実は結婚相談所に入会していたんです。

20代半ばから私は、フリーで翻訳やライターの仕事をしていて、出会いもあまりない状態で。

お付き合いしていた人もいたけど、実はその人に「独身」だとウソをつかれていたことが偶然にも発覚し(1年くらい気づかず関係を続けていた!)、ヤケになった私は、友人の経営していた結婚相談所に入会しました。

この友人というのが、今の旦那です。

よく、「何を基準に結婚相手を選べばいいですか?」と聞かれるので、今回は私の個人的な主観で、結婚相手の選び方について書いてみたいと思います。

仕事が充実していた私が結婚相手に求めた条件

実を言うと、最初から彼の結婚相談所に入会したわけではありません。

彼の知り合いを個人的に紹介してもらったり、彼の主催する婚活パーティーなどに参加したりしていました。

でも当時、フリーランスとして多忙だった私は、仕事がノリに乗っており、まさに忙殺されるような日々を過ごしていました。

睡眠もまともに取れないほど忙しかったので、ろくに寝てないまま、服もメイクも気を遣わずデートに行き、「仕事があるから」とサッとご飯だけ済ませて帰る。

ラインの返事を返す余裕もなくて、文面考えるのが負担になるメッセージはすべてスルー。次のデートの約束もなかなかできない。

そんなわけだから、紹介された男性とも、まあ続かない。

あと、当時の私は「自分より収入の低い人は嫌!」というこだわりがありました。

仕事が絶好調の時期で、寝る暇も惜しむほど働いていた分、そこそこ手取りもあったので、
紹介された男性たちより自分のほうが稼いでる、みたいな傲慢さもあったんですよね。

しかし、なかなか関係が続かない私を見かねて、彼は私を呼び出しました。

年収こそが、男の価値だと思っていたイタすぎる時代

「ちゃんと幸せになってほしいから、いい相手紹介したいんだよね。どういう人がいいの?」

ファミレスでこう聞かれて、私は「とにかく年収が高い人」と即答しました。

さらに「私は仕事に情熱を注いでいるので、家事の要求をしない人がいい」ということも伝えました。

「高給取りなうえに、家事をしなくてもいい人」なんていう、ワガママな条件を恥ずかしげもなく突きつけたのです。

彼は少し困った顔で、「それだと僕の紹介できる範囲では多くないから、うちの結婚相談所にでも入ってみる? 合う人が見つかるかも」と言いました。

こうして私は結婚相談所に入会したのです。

当時の私は、「年収こそがすべて」と思っている、かなりイタい女でした。

だから、お見合いも「年収」だけを見て決めていました。

当時、お見合いをした方は、年収1000万円~3000万円の方がほとんどでした。

心の違和感などすべて無視して、おカネだけで男性を見ていました。

この人と結婚してもいいのか? という違和感

でもね、やっぱり、しっくりこなかったんです。

「なんか、違うなあ」「この人と本当に結婚するのかな?」という違和感を抱えながら、お見合いをしていた。

途中からもはや、「結婚」というものすら、よくわからなくなっていました。

でも、そんな不安や違和感を、いつも受け止めてくれるのが彼でした。

よく話を聞いてくれる「いい人」だな~というのが印象でした。

それは、彼の仕事ぶりを見ていても本当によく伝わってきました。

私だけでなく、会員さんのために、自分の持てる情熱と時間すべて注ぎ込んで奔走しているような人でした。

会員さんの失恋話を聞いて本気で男泣きし、会員さんの成婚が決まったときには心の底から喜び、デートの報告なども、いつもニコニコしながら聞いていた。

「人の笑顔を見るのが好きだ」と言っていた言葉にウソはなさそうでした。

さらに私は、驚きの事実を知ることになります。

私が結婚を決めた理由


実は彼、この時期、当時の婚約相手から一方的に別れを告げられ、婚約破棄していたのです。

しかし、そんなことは微塵も感じさせない明るさでした。

婚約者がいるという話は前から知っていたので、てっきり順調に話が進んでいるものだと思っていました。

あとから話を聞くと、この時期、彼は精神的にかなりつらかったそうですが、
幸せな結婚を提供する仕事でありながら、自分が暗い顔をしていてはいけないと決めていたそうです。

私は、彼が婚約破棄されていたという話を聞いて、驚いたと同時に、なんて精神的にタフな人だろうと思いました。

自分がつらい状況でありながらも、いつも笑顔で、私を含め、多くの人の婚活を心から応援し、皆の幸せをいつも本当に喜んでいた。

そんな彼からは、暗いオーラ1つ漂っていませんでした。

私は「人間力」とは、つらい状況に追い込まれたときにこそ、発揮されるものだと思っています。

自分がつらいときに、余裕を持てず、人にきつく当たったり、八つ当たりしたり、ドヨーンとした雰囲気を漂わせている人もいます。

私も嫌なことがあると、ついイライラしてしまったり、笑顔を忘れてしまったりします。

でも彼は、自分がつらい状況でも、周囲にいつも優しく、明るく笑っていられる「強さ」を持った人でした。

そして私は次第に、彼のような「人間力」を持った人、困難な状況でも共に乗り越えられそうな人をパートナーに選びたいと思うようになりました。

それまでの私は、お金や外見、ロマンやドキドキをくれる人、という視点で男性を見ていました。

しかし、彼と出会ったことで、男性を見る目が初めて変わったのです。

私の結婚の決め手は、失われることのない、彼の「強さ」と「優しさ」だった

そして、男性を見る目が変わった直後に、彼から告白されました。
(結婚相談所の経営者が会員に手を出していいのかというツッコミは、ここでは置いておいてください…笑)

そして、私たちは、その半年後に籍を入れました。

今、結婚したからこそ、私は言えます。

外見は年をとれば変わっていく、おカネや仕事だって、何かがあれば一瞬で失われてしまう。

でも、精神力、人間としての器の大きさは、ずっと失われないものだと。

事実、彼は結婚してからも、ずっと優しく、大きな心でいつも私のことを受け止めてくれます。

仕事で理不尽なことがあったときも、それを家庭内に持ち込むようなことは絶対にありません。

仮にこの先、どんなに困難なことがあったとしても、彼となら乗り越えていける、私はそう信じています。

結婚相手の決め手がわからないときには?

結婚式の誓いの言葉に、このような一節があります。

健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?

「どうやって結婚相手を決めればいいですか?」と聞かれたときに、私はこう答えます。

物質的な豊さが何1つなくなったとしても、その状況を共に乗り越えていける「タフさ」と「思いやり」を持った相手がいいよ、と。

私の夫は、この2つを兼ね備えています。

そして、このような相手をパートナーに選んでよかったなと、いつも心から思うからです。

あくまでも私の個人的な経験から語らせていただきましたが、婚活中で結婚相手に迷うことがあれば、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

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