「お見合い結婚は、幸せになれないんでしょうか?」
あるとき、涙ながらに私の元に相談に来た女性がいました。
私は婚活カウンセラーの仕事をしています。
結婚相談所も運営しているので、たくさんのカップルがお見合いによって誕生する瞬間も見てきました。
当然、結婚相談所を通じて結びついたカップルには末永く幸せになってほしいと思っているので、
このようなお話しを聞くと、胸が痛くなると同時に、何とかこの状況を手助けできないだろうかと考えます。
お見合い結婚で幸せになっている人はたくさんいます。
「お見合い結婚=失敗した」と思っているなら、まずはその思い込みを手放し、
パートナーとの関係修復のために何ができるか、もう一度考えてみてください。
今回は、そのためのアドバイスを贈ります。
「お見合い結婚だから、うまくいかない」は思い込み
まず、恋愛結婚であっても、
価値観のギャップや気持ちのすれ違い、愛が冷めてしまうことはあると理解しましょう。
「お見合いだから、幸せになれない」という考えに固執するのは、
今のつらい現状に原因を求めて、「ああ、自分が幸せでないのは、このせいだったのか」と安心したいだけ。
不満な状況を正当化するために、「原因」を求めて安心したいという心理が人間にはあります。
しかし、それでは「お見合いなんて、やめておけばよかった」と後悔するだけで、何の解決にもなりません。
まずは「お見合いだから、失敗した」という思い込みを外しましょう。
肝心なのは、この現状をどのようにして改善するか。
パートナーとの関係性をどのように修復するかということです。
自分の選択で結婚を選んだのであれば、過去を責めることはやめて、現在に目を向けましょう。
「家庭を作っていく」という覚悟を引き受けよう/家族になるのは困難がつきもの
もしかしたら、「お見合い結婚だから失敗した」と考える人のなかには
焦りや周囲からのプレッシャー、
「1人はイヤだから、とりあえず」といった思いから、結婚を選択した人もいるのかもしれません。
結婚に対する「覚悟」が足りないまま、家族になってしまったのかもしれません。
しかし、「家族になる」というのは、並大抵のことではありません。
そもそも、まるで異なった環境で育ってきた2人が、1つの家族になること自体、無理がある(大変な)ことなのです。
家族になることは、大変なことです。
そのうえで、家族というチームをしっかり作っていこうという「意志」が必要です。
家族とは1つのチームです。
人生という旅を、励ましたり、支え合ったり、ともに泣いたり、笑ったりしながら乗り越えていくチームなのです。
自分がチームの一員であることを放棄したり、チームとして頑張ろうという意識を持たず、怠惰な態度をとってしまえば
当然、結束は失われていきます。
まずは、大変なことにチャレンジしているんだと自分を褒めてあげてください。
そして、家族というチームをよりよくしていくために、自分に何ができるかを、もう一度考えてみてください。
結婚生活における「愛情」は育むもの
なかには「愛情」を持てないことに悩んでいる人もいるかもしれません。
恋愛結婚であれば、愛情を持てて、相手のイヤなところも気にならずにすんだかもしれないのに…
もしかしたら、そんな思いがあるのかもしれません。
その前に覚えておいてほしいことがあります。
愛情には、いくつかの種類があるということです。
男女の燃えるような愛もあれば、母が子に向ける愛も、同じ「愛情」です。
そして、いろいろな夫婦を見ていて、私が確信しているのは
結婚生活における愛情は、必ずしも、アツアツに沸騰して、湧き上がるような「愛」である必要はないということです。
むしろ、深い信頼に根付いた、じっくりと温めていくタイプの愛情で結ばれているほうが
長期的なパートナーシップを築けるのです。
結婚生活における愛情は、すでにそこにあるものではなく
ともに生活するなかで、育むものです。
「愛情が持てない!」とすぐに決断を出すのではなくて、長い目でパートナーに対する愛を育んではいかがでしょうか?
自分が変われば相手も変わる
「あることをしたら、男性からの愛憎が倍増した」ということを別記事で書かせてもらったのですが、
パートナーは自分の反射鏡のようなものです。
自分がつまらない、不愉快な態度をとっていると、相手からも同じような態度が返ってきます。
相手を変えたいのであれば、まずは自分が変わりましょう。
明るく、楽しい雰囲気をまとうようにして、常にニコニコとパートナーに接してみてください。
ある相談者の方は、
「夫との会話がほとんどない。一緒にいても、お互い常にピリピリして、家の中に嫌な空気が流れている」
という悩みを抱えていました。
そこで、私は
「とにかく、自分の心をまずは整えて、明るく話しかける習慣を続けてみるといいですよ」
というアドバイスを贈りました。
彼女は、まずは自分の気持ちと向き合い、
そして「どんなときも、夫に明るく接する」と決意しました。
最初のうちは、無視されたり、邪険な態度をとられ、
落ち込んだり、「私は歩み寄ろうとしているのに!」という悔しさもありましたが
それでも、できるだけ心を落ち着けて、明るく接するということを意識しました。
すると、少しずつですが、変化が起きてきました。
ご主人のほうから、話を振ってきたり、冗談を言ってきたりすることが増えたのです。
「ただ明るく接しているだけで、夫が前よりも優しくなってビックリしました」
数ヶ月後、彼女はそのように報告してくれました。
今、その夫婦は、会話がなかったという事実が信じられないくらい、とても仲良く過ごしています。
「自分が明るく過ごすだけで、本当に変わるの?」
と疑問に思うなら、ぜひ試してみてください。間違いなく、家庭が変わります。
心を整え、自分が「太陽」になると決めてください。
楽しい家庭は自分の責任で「創る」ものです。
マイナスを数えない
ついついやりがちなのが、マイナス面にばかり目を向けているということ。
パートナーの良いところは1つもないのでしょうか?
一緒にいて楽しかったこと、幸せと感じたことはないでしょうか?
別の記事でも書きましたが、結婚生活がうまくいくために必要なことは
・「許す」こと
・自分ルールで裁かないこと
・過度な期待をかけないこと
です。
相手の「個性」と「人間性」を認め、自分の基準ではなく、相手の「生き方」として受け入れられるようになると
パートナーの一挙一動に振り回されなくなり、自分自身もラクになります。
話し合いの場を持ちましょう
何が不満で、何をどうしたら解決すると思うのか、パートナーにきちんと伝えたことはありますか?
「相手に対する不満を伝えられない」、という人は多いのですが、
不満を抱え込み、ウツウツとしたオーラを全開にしたり、ある日突然、怒りを爆発させて関係を台無しにしてしまうくらいなら、
理性的に話し合ったほうがいいのです。
ポイントは感情的にならないこと。相手を責めないこと。
相手の短所や欠点をあげつらうのではなく、
あくまでも「状況」に目を向け、何を改善すれば良いか、前向きに提案するという場にしましょう。
それが難しいのであれば、手紙を書くという方法もオススメです。
言葉にすると、思考が整理され、自分の気持ちを見つめやすくもなります。
それでも後悔があるなら、離婚という手段がある
それでも、後悔があって「幸せになれない」と思うなら、離婚という手段もあります。
自分の幸せは、自分で選びとって、作り上げていくものです。
人は皆、幸せになる権利があります。
幸せになる行動と選択肢を選ぶ権利があります。
だから、現状、幸せな家庭を作ることに限界を感じ、
離婚という選択肢のほうが幸せであるなら、そちらを選ぶべきです。
世間や人に、振り回される必要も、他者の人生を生きる必要もありません。
離婚を選んだ後に、「今度こそは!」という思いで幸せになった人もいっぱい見てきました。
いつだって、幸せになる選択肢は自分の中にあることを覚えておいてください。
現在私は、パートナーシップでお悩みを抱えている方の相談にも乗っています。
お悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。