
恋愛カウンセラーのアスナです。
元カレ、元夫、自分をこっぴどくフッた女性、職場の上司、学生時代のイジメっ子……
皆さんは「許せない人」っていますか?
私はいました。
今でこそ「怒ったり、恨んだりすることあるの?」と驚かれるくらい、穏やかになったのですが、
もともと私は人の好き嫌いが激しく、自己主張も強かったため、昔は人間関係をよくこじらせていました。
お恥ずかしい話なのですが、しかも、当時のダークな私は
「嫌いなものは徹底的に排除したい!」という思想を持っていました。
視界に入るのもイヤ、その人が幸せそうにしていたり、笑っていたりするのもイヤ、絶対に引きずり下ろしてやる!
本気でそんなことを考えている、恨みつらみに満ちた、真っ黒な人間でした。
当然「許せない!」「憎い!」という人がたくさんいました。
しかし、あるときから、それがピタリとなくなりました。
憎しみや恨みを抱えているのは、つらいと思います。心も消耗します。
自分がそうだったので、この苦しさはよくわかります。
今日は自分を変えてくれた【考え方】を紹介します。
憎しみや恨みから解放されたいときに、ぜひ採用してみてください。
怒りを認める/怒ってはいけないという【バリア】を取っ払おう
モヤモヤが長く残るときや、感情を引きずるときは、怒りが「不完全燃焼」している場合です。
何か不当な仕打ちをされたときに「怒り」を感じるのは、人間の防衛本能として、ごく自然な反応です。
しかし、私たちの多くは「怒り」を出してはいけないものと思っています。
「怒ることは自分が未熟だからだ」
「人前で怒りを見せるのはみっともない」
「怒りとは悪い感情だ」
このような思いから、怒りを封じ込めて自分の中にとどめ、自分の内で繰り返し反復させています。
あるいは、怒りを認めるよりも先に、この感情を別の何かに「置き換えよう」とします。
でも、怒っていいんです。怒りを感じることは、ごく自然な感情です。
まず、怒りの対処の大前提として「自分は怒っている」と認めましょう。
「あいつが嫌い」でいいんです。
自分で認めて、向き合わなければ、冷静に対処することはできません。
防衛本能のスイッチが思わずオンになってしまうような、イヤな出来事があった。
まずはそのことを認めて、自分をいたわってあげましょう。
自分の感情を封じ込める必要はありません。怒りという感情に罪悪感を持つ必要はないのです。
だから、怒ってもいい。
ただし、怒りを引きずらないためには、適切な【処置】が必要です。
これについては次以降に書いていきます。
減点法思考は、ただちにストップさせよ
まずは、相手に対する「減点法」を一旦ストップさせましょう。
「減点法」で人を見るようになると、その人に対するイラだちが止まらなくなります。
一旦、嫌いになってしまうと、相手の何もかもが気にくわなくなり、しまいには「一緒の空気も吸いたくない!」と思ってしまうような経験、ありませんか?
夫婦関係や恋愛をこじらせてしまっている人は、この「減点法の負の力」から抜け出せなくなっています。
本当に相手によい面は1つもないのでしょうか? 100%、悪のカタマリなのでしょうか?
ネガティブなことに引きずられて、いい面が1つも見えなくなってしまっているだけではないでしょうか。
恋愛相談に乗っていて、「別れた恋人が許せない!」と言っている人は
別れの瞬間だけに、執着してしまっていて、相手と過ごした楽しい時間、相手に与えてもらったことをすっかり忘れてしまっているケースがほとんどです。
嫌いな人を評価するのは、なかなか難しいかもしれません。
プラスの評価が難しいなら、それでも構わないと思います。
ただし、代わりに、【減点評価】も手放すのです。
プラスにもマイナスにも評価しない。世界を、相手を、フラットに見る。
そう自分に言い聞かせていると、だんだんと、1人に執着して、怒りを持ち続けていることが馬鹿らしくなってくるはずです。
意識せずに生きていれば、ネガティブな人間になってしまう
ネガティビティバイアスという言葉を聞いたことがありますか?
時事用語辞典の説明がわかりやすかったので引用させていただきますね。
人はポジティブな情報よりも、ネガティブな情報に注意を向けやすく、記憶にも残りやすい性質を持つ、ということを表す心理学用語。
たとえば個人の過去の記憶でも、幸福な思い出よりは、辛い経験のほうが鮮明に記憶される傾向がある。
そう、私たちはネガティブな経験や情報のほうが圧倒的に記憶にきざまれやすいのです。
ということは、何も意識せずに生きていれば、どうしたってネガティブなことに影響を受けやすいということです。
ネガティブなことに反応する習慣は、ネガティブな思考となり、ネガティブな行動になる。
さらに、ある大学の研究によると、人に攻撃的な物言いをしている人は、認知症になるリスクまで高まるそうです。
ネガティブ思考、ネガティブな行動、さらには認知症のリスクまで高めるような生き方を望みますか?
それが嫌であれば、脳はネガティブなことに反応しやすいということを理解したうえで、スルーする力を身につけなくてはいけません。
ネガティブなことは盛大にスルーしましょう!
反応しない、振り回されない、という選択は自分でもできます。
【自分の人生を楽しむために】ネガティブな反応をしないという選択をするのです。
同じステージに立たない/自分と相手を切り離す
何か不当な思いを経験すると、相手に対する制裁を加えたいという思いが働くようになります。
「人を傷つけておきながら、あいつばかりいい思いしやがって! あんなヤツ罰があたればいいのに!」という感情です。
怒りが「憎しみ」や「恨み」にまで発展するときには、このような思いが働いている場合があります。
まず、相手の領域に入り込もうとすることはやめましょう。
相手ばかりが成功して幸せそうに見えても、相手にバチが当たろうがそうでなかろうが、相手が自分に対して何を思おうと
それは相手の問題であって、自分の関与する領域ではありません。
同じ場に立つことをやめるのです。相手のいるステージから下りましょう。
恋愛も夫婦関係も人間関係も、相手に勝手に「こうであってほしい!」「こんなふうに対応してほしい」という期待をするから、
失望したり、怒りがうまれたり、恨みが生まれたりするのです。
相手は相手なんです。そういう人なのです。相手は相手の人生を生きているのです。
他者の感情も環境も行動も、本人が決めるべきことであって、自分には入り込むことができないのです。
まずは、この事実を理解しましょう。
それにもかかわらず、相手の人生に関与し、あれこれ怒りをぶちまけ、あがくのは、ハッキリ言ってエネルギーのムダです。
そのエネルギーはもっと別のことに使うべきです。
自分の憎む相手が幸せになろうが、不幸になろうが、悪気を感じてなかろうが、自分に悪意をぶつけてこようが、それは相手の領域で起きている問題。
そもそも自分に関与する権利はないのです。
相手の領域から静かに立ち去りましょう。
相手の問題についてあれこれ考えるのは、時間とエネルギーのムダだと割り切って、立ち去ってしまいましょう。
それよりも、もっと自分を満たすこと、自分の幸せにフォーカスしたほうが、ずっと有意義です。
私の体験談:相手への【関与】を手放したら、生きるのが楽になった
私がこのように、他者と自分を切り分けられるようになったのは、大失恋がきっかけでした。
ものすごく頑張って、ものすごく好きだった、できることはすべてした。注げるだけの愛を注いだ。
なのに私はフラれました。とても嫌な別れ方をしました。
自分の思いが報われなかった悔しさで、私はいっぱいでした。
泣き、荒れ狂い、しばらくは恨みつらみのカタマリになっていました。
でも、時間が経つにつれて、それが傲慢だったと気づきました。
・相手を変えることはできないこと
・相手の感情は相手のものであって、自分にはどうしようもできないこと
・イヤな別れ方をしたけれども、幸せな時間もたくさんあったこと。愛をたくさん受け取っていたこと。
そのことに気づいてから、初めて私は自分の気持ちを【手放す】ことができたのです。
そして同時に、他人と自分を切り離して考えられるようになりました。
相手は相手、自分は自分。
怒りという感情を相手の領域にまで持ち込まない。そう思えるようになったのです。
今でも、イヤなことがあれば怒ります。数日間は引きずります。
でも、その後はスルーします。もうこれ以上は、相手に関与しないと決めて気持ちを切り替えるのです。
相手に関与し、執着するから、引きずるし、恨みや憎しみにまで変わるのです。
長引く怒りには「ストップ関与!」と言い聞かせています。
最後に
今回は以上となります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!